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ソマトスタチン受容体シンチグラフィで集積を示した腎癌膵転移の1例 CiNiiでみる

著者名:
岸田 貴喜  杉本 博行  大津 智尚  田中 健士郎  小林 大悟  山中 雅也  横山 裕之  望月 能成  谷口 健次 

抄録:

ソマトスタチン受容体シンチグラフィ(somatostatin receptor scintigraphy;以下,SRSと略記)は神経内分泌腫瘍の診断に用いられるが,本邦での臨床経験はまだ少ない.今回,SRSで集積を示した腎癌膵転移の1例を経験した.症例は79歳の女性で,左腎癌に対して左腎摘出術を施行している.術後19年目の単純CTで膵体部に腫瘤性病変を認め,過去のCTを再検討したところ術後12年目のダイナミックCTで膵体部に動脈相で濃染する腫瘤性病変を認め,徐々に増大傾向を認めた.精査目的に施行したSRSで腫瘤全体に集積亢進を認めたため,膵神経内分泌腫瘍を第一に疑い膵体尾部切除術を施行した.組織学的には淡明な胞体を含む腫瘤で,腎癌(淡明細胞癌)の膵転移と診断した.SRSは,神経内分泌腫瘍以外の腫瘍にも集積を示すことがあり,腫瘍の鑑別診断に用いる際には注意する必要がある.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
8-15 , 
ISSN:
0386-9768

大腸間膜内に前立腺癌由来リンパ節転移を有した大腸癌の2切除例 CiNiiでみる

著者名:
浅原 史卓  長谷川 博俊  須田 秀太郎  別宮 絵美真  橋本 和彦  佐々木 文  松井 淳一 

抄録:

症例1は82歳の男性で,排便異常を主訴に当院を受診し,直腸癌,前立腺癌の診断となった.2011年7月に直腸癌に対し,Hartmann手術,D2郭清を施行した.病理組織学的検査にて,#251領域リンパ節に,免疫学的染色検査にてCK7(−),CK20(+)の大腸癌由来の細胞と,CK7(−),CK20(−),PSA(+)の前立腺癌由来の細胞が衝突する像を確認した.症例2は64歳の男性で,排尿障害を主訴に当院泌尿器科を紹介受診し,前立腺癌,S状結腸癌,多発肝転移の診断となった.2017年7月に当科にてS状結腸癌に対し,Hartmann手術,D3郭清を施行した.#241領域リンパ節において,免疫学的染色検査にてCK7(−),CK20(−),PSA(+)となり,前立腺癌由来のリンパ節転移の診断となった.前立腺癌による大腸間膜リンパ節転移,特に大腸癌と前立腺癌の衝突転移はまれであると考えた.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
61-68 , 
ISSN:
0386-9768

潰瘍性大腸炎術後に診断しえたリステリア髄膜炎の1例 CiNiiでみる

著者名:
皆川 知洋  池内 浩基  桑原 隆一  堀尾 勇規  佐々木 寛文  蝶野 晃弘  坂東 俊宏  内野 基 

抄録:

症例は86歳の女性で,2008年に左側大腸炎型の潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;以下,UCと略記)と診断され,他院で加療されていた.2018年2月に高熱,血便を認め,UCの増悪が疑われ当院紹介となった.入院後,意識レベルの低下と貧血の進行を認めた.UCの急性増悪と考え,結腸全摘,回腸人工肛門造設術を施行した.手術後も意識レベルの改善を認めず,髄膜刺激症状を認めたため,髄液検査を施行した.蛋白・細胞数上昇,髄液糖/血糖:0.25(<0.4)であり,細菌性髄膜炎と診断した.術前の血液培養でListeria monocytogenesを認めたため,リステリア髄膜炎と考えられた.症状は抗生剤アンピシリンとゲンタマイシンの投与にて改善した.本症例は,活動性のUCであり,消化管から菌が侵入したと考えられた.UCに合併したリステリア髄膜炎は本邦では極めてまれな症例であり報告する.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
54-60 , 
ISSN:
0386-9768

Mixed serous neuroendocrine neoplasmに腎細胞癌が併存したvon Hippel-Lindau病の1例 CiNiiでみる

著者名:
武井 将伍  本間 祐樹  藪下 泰宏  澤田 雄  熊本 宜文  松山 隆生  三宅 暁夫  江中 牧子  遠藤 格 

抄録:

症例は39歳の女性で,健康診断で肝機能障害を指摘され施行した画像検査で膵頭部腫瘍,膵全体に多発する囊胞性病変,右腎腫瘍を認め,当科へ紹介受診した.膵頭部腫瘍は超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診で膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine tumor;以下,PanNETと略記)G1の診断となり,右腎腫瘍はCT所見から腎細胞癌(以下,RCCと略記)と診断した.von Hippel-Lindau病(以下,VHL病と略記)を疑い遺伝子検査を施行すると,VHL遺伝子のexon2に変異を認め,確定診断となった.治療はPanNET,RCCに対し,膵頭十二指腸切除術および右腎部分切除術を一期的に施行した.組織学的に膵頭部腫瘍はPanNET G1の診断で,領域リンパ節への転移を認めた.また,膵多発囊胞は漿液性囊胞腺腫(serous cystadenoma;以下,SCAと略記)の診断,右腎腫瘍は淡明細胞型腎細胞癌の診断であった.PanNET,SCA,RCCが併存したVHL病の報告例は少なく,まれな1例を経験したため報告する.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
69-76 , 
ISSN:
0386-9768

仮性脾動脈瘤を合併しhemosuccus pancreaticusを呈した膵粘液性囊胞腺癌の1例 CiNiiでみる

著者名:
細田 清孝  上原 剛  小林 聡  野竹 剛  清水 明  本山 博章  福島 健太郎  増尾 仁志  坂井 紘紀  池原 智彦  山田 哲 

抄録:

症例は25歳の女性で,腹痛を主訴に近医を受診し,精査で膵囊胞性病変と随伴性膵炎を指摘され,保存的加療を受けた.症状は一時改善傾向となったが,その後増悪し,新たに下血も認められたため,精査加療目的に当院に紹介となった.腹部CTでは膵尾部に多房性囊胞性腫瘤を認め,膵粘液性囊胞腫瘍が疑われた.囊胞に接して仮性脾動脈瘤と囊胞内に陳旧性を疑わせる高吸収域を認めたことから,仮性動脈瘤が腫瘍内に穿破し,hemosuccus pancreaticusを呈したと推測された.手術は膵体尾部切除術を施行した.病理組織学的検査の結果,5 mmの微小浸潤を伴う膵粘液性囊胞腺癌(pancreatic mucinous cystadenocarcinoma;以下,MCCと略記)と診断された.また,仮性動脈瘤の壁は一部が破綻し,腫瘍内腔に穿破している像を認めた.MCCに随伴性膵炎や仮性動脈瘤を合併した希少な1例を経験したので報告する.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
16-21 , 
ISSN:
0386-9768

ニボルマブ投与10か月後に著効を認めたStage IV胃癌の1例 CiNiiでみる

著者名:
原 鐵洋  宮本 勝也  嶋本 文雄  二宮 基樹  土井 寛文  久原 佑太  木建 薫  豊田 和宏  小林 弘典  橋本 泰司  坂下 吉弘 

抄録:

ニボルマブ投与により原発巣が著明に縮小し,10か月後に著効を認めたStage IV胃癌を経験した.症例は80歳の女性で,進行胃癌の診断で当院へ紹介された.No. 11リンパ節,大動脈周囲リンパ節の腫大を認め,Stage IV胃癌と診断した.一次治療でS-1とoxaliplatinの併用療法,二次治療でramucirumabとpaclitaxelの併用療法を施行したが有害事象と病状進行のため中止し,三次治療としてニボルマブを開始した.6コース投与後に原発巣が縮小した一方でNo. 11リンパ節は増大傾向を示したが,QOLの著しい改善を認め継続したところ,19コース投与後に著明な縮小を認めた.30コース投与後に原発巣は瘢痕化し,No. 11リンパ節はさらなる縮小を認めた.ニボルマブ投与により画像上増悪傾向を示しても全身状態,治療経過を考慮し継続することで遅発性に効果を認める例があることが示された.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
1-7 , 
ISSN:
0386-9768

虫垂原発neuroendocrine carcinomaの1例 CiNiiでみる

著者名:
高津 史明  溝渕 光一  大橋 龍一郎  岡田 尚大  坂本 あすな  八木 朝彦  松田 直樹  市原 周治  大谷 弘樹  矢野 匡亮 

抄録:

症例は80歳の女性で,右下腹部痛を主訴に近医を受診した.虫垂の腫大と回盲部に不整な壁肥厚を認め,生検では低分化型腺癌と診断され,回盲部切除術を施行した.手術材料の検討では,虫垂の位置に長径約6 cmの腫瘍を認めた.組織像では大型で均一な異型細胞の浸潤増殖像がみられ,免疫染色検査にて神経内分泌マーカー陽性を示した.また,Ki-67 indexが70%であり,虫垂を原発とするneuroendocrine carcinoma(NEC)と診断した.術後は合併症なく退院したが,術後2か月に肝転移,胸膜播種を来し,徐々に全身状態が悪化して術後5か月目に死亡した.虫垂原発神経内分泌細胞癌は非常にまれであり,mixed adenoneuroendocrine carcinoma(MANEC)と考えられる症例を除くと本邦3例目であるため,報告する.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
46-53 , 
ISSN:
0386-9768

Cowden病を合併する妊婦に発症した小腸lipomatosisに起因する腸重積の1例 CiNiiでみる

著者名:
辻尾 元  竹内 一浩  青松 直撥  内間 恭武  栗原 重明  平川 俊基  岩内 武彦  森本 純也  中澤 一憲  保坂 直樹 

抄録:

症例は23歳の女性で,中毒性多結節性甲状腺腫,多発乳腺腫瘍,扁桃腫瘍の既往およびCowden病の家族歴を有する.受診時妊娠20週であり腹痛,嘔吐を主訴に当院受診となった.腹部超音波検査およびMRIにて小腸に重積像および口側腸管の拡張を認めた.小腸重積の診断とし,緊急手術の方針とした.Treitz靭帯より約250 cmの小腸から約20 cmに渡り腸重積像を認めた.Hutchinson手技にて重積を解除,内腔に約2 cm大の腫瘍を触知し,重積部の小腸を部分切除した.摘出標本を確認したところ黄色のポリープが多発しており,病理組織学的検査において脂肪腫の診断となった.Cowden病の家族歴に加えて脂肪腫および甲状腺病変を認めることからCowden病の確定診断とした.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
30-35 , 
ISSN:
0386-9768

2度の大腸癌腹膜播種結節切除後に発症した原発性小腸癌の1例 CiNiiでみる

著者名:
多和田 翔  吉田 和弘  松橋 延壽  高橋 孝夫  棚橋 利行  松井 聡  今井 寿  田中 善宏  山口 和也  宮崎 龍彦 

抄録:

症例は73歳の女性で,2010年2月に上行結腸癌が先進部の腸重積,横行結腸穿孔,汎発性腹膜炎の診断で,当科にて拡大結腸右半切除術+D2リンパ節郭清術,回腸人工肛門造設術を施行した.病理学的診断は粘液癌でpSS,pN0,ly1,v1,pPM0,pDM0,pRM0,fStage IIであった.初回手術から4年,6年後に後腹膜再発を指摘され,いずれも摘出術を施行し,播種再発と診断した.初回手術から7年半後に腸閉塞のため当科紹介となり,CTにて狭窄部に腫瘍を認め,小腸部分切除術を施行した.狭窄部粘膜に1型腫瘍を認め,原発性小腸癌と診断した.術後化学療法は施行せず,14か月無再発生存中である.大腸癌と小腸癌の重複はまれであるが,各種癌の治療成績向上に伴い多臓器癌を重複する大腸癌に遭遇する機会は増えてくると考えられる.今後は再発だけでなく重複癌も念頭に置いた治療の選択をする必要がある.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
36-45 , 
ISSN:
0386-9768

多発小腸穿孔を来した多発血管炎性肉芽腫症の1例 CiNiiでみる

著者名:
齋藤 晶  佐田 尚宏  鯉沼 広治  田原 真紀子  森 和亮  井上 賢之  宮永 明子  秋山 陽一郎  天野 雄介  堀江 久永 

抄録:

症例は45歳の男性で,多発血管炎性肉芽腫症に対して当院アレルギー・リウマチ科で薬剤療法を開始した.開始後12日目に下腹部痛が出現し,腹部CTにて消化管穿孔と診断し緊急手術を施行した.小腸間膜対側に10 mm以下の発赤を20か所認め,うち2か所の穿孔部を含む3か所を部分切除した.術後経過は良好で,9日目に薬剤療法を再開した小腸穿孔部の病理組織学的検査所見では,血管壁への炎症細胞の浸潤を認め,多発血管炎性肉芽腫症に伴う消化管穿孔と診断した.術後53日目に絞扼性イレウスが疑われ緊急手術を施行したが,明らかな絞扼性イレウスや穿孔の所見は認めなかった.その後の経過は良好で,薬剤療法を再開,継続中である.今回の検討から多発血管炎性肉芽腫症に伴う消化管穿孔は重症化しやすく,潰瘍性病変が多発する傾向にあり,ときに再穿孔を来すことがわかった.これらを十分理解し,患者・家族へ説明し,治療にあたることが必要である.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
22-29 , 
ISSN:
0386-9768

"伝わる"肝胆膵外科手術記録―iPadを用いた効率的で効果的なイラスト作成法― CiNiiでみる

著者名:
楳田 祐三  藤原 俊義 

抄録:

手術記録は,診療情報にとどまらず,外科修練における研鑽,医療チーム内での手術情報の共有,そして紹介医へのfeed-backと,その意義は大きい.今回,iPadを用いた効率的で効果的なイラスト作成を中心に,我々が実践している"伝わる"肝胆膵外科手術記録の作成法を紹介する.従来の手描き法と異なり,iPad/Apple pencil/描画アプリを用いることで,自由な描き直し,レイヤー機能や多岐にわたる着色ツール,拡大・縮小機能による微細描画や着色時間の短縮,イラストパーツの貼付など,効率的で効果的なイラストの作成が可能となる.外科修練において,繰り返し手術イラストの作成に取り組むことは,観察力を養い,解剖構造の理解を深め,手術の本質を理解し修得するのに有用である.症例からの学びと反省,患者さん,そして紹介医の患者さんへの思い入れに報いるためにも,手術のみならず,外科医の想いが"伝わる"手術記録の作成に,外科医は一例入魂の精神で臨むことが望まれる.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
105-115 , 
ISSN:
0386-9768

左開胸併用で追加切除を要した進行噴門癌 CiNiiでみる

著者名:
眞田 雄市  吉村 寛志 

抄録:

本稿では,第74回日本消化器外科学会総会特別企画「オペレコを極める」で提示した症例の手術記録の概要を示すとともに,筆者が手術記録,特に図の作成において心掛けていることと,手術記録作成の意義に関して論じる.症例は73歳の男性で,進行噴門部癌にて胃全摘術の予定となった.局在はU領域であり,近位端は食道胃接合部直下まで及んでいた.手術は上腹部正中切開で開始した.十二指腸の切離,膵上縁のリンパ節郭清を行った後,近位側切離予定線を定めた.腹部食道を牽引した際食道前壁が裂け,裂孔切開による追加切除を試みたが心囊周囲の脂肪組織と横隔膜が癒着し下縦郭の剥離が困難であった.左第8肋間開胸を行って術野を確保し追加切除を施行した.手術記録の作成では,難渋した局面や,術中トラブルのリカバーを要した局面においては,より詳細な図示を行うことで精度を上げ,その後の手術に活かすことが重要である.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
116-123 , 
ISSN:
0386-9768

絵で書く肝胆膵外科手術 CiNiiでみる

著者名:
佐野 力  二村 雄次 

抄録:

手術記事は,単なる記録ではなく手術内容が理解しやすいことが重要であり,文章のみではなく,絵を多用することで理解度が深まる.執刀医が自ら手術記事を書く意味は,手術内容・局所解剖をどれだけ理解しているかを自問自答する勉強の場でもある.著者は,基本的に手術記事の下書きはせず,よく構図を考え,直接万年筆でシェーマを書き始める.シェーマは術中のビデオなどを参考に模写するよりは,自らも,読者にも理解しやすい構図を意識して書くことが重要である.シェーマが描ければ,手術のその局面を理解できている.逆に書けないということは十分理解していない可能性がある.絵の上手下手,得意不得意はあるが,努力を続ければ,分かりやすい手術記事が書けるようになると考えている.最近執刀した肝胆膵の高難度手術で頻度の高い膵頭十二指腸切除の症例と,恩師に前立をして頂き,肝膵十二指腸切除後5年以上無再発生存症例の手術記事を供覧する.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
81-90 , 
ISSN:
0386-9768

オペレコを極め,手術を極める CiNiiでみる

著者名:
多田 和裕  猪股 雅史 

抄録:

手術記録は公文書としての医療行為の記録だけでなく,合併症発生時の原因究明や再手術の際の参考になり,さらに自身・後輩のための教育ツールとしても重要な意味を持つ.したがって,正確で分かりやすいだけでなく,術者の思考や意図がわかるような記録である必要がある.これらを理解しやすくするためにイラストは最も重要であり,作成にあたっては幾つかポイントがある.筆者は「見ただけで手術がわかる」をモットーに手術イラスト描きに取り組んでいる.本稿では,腹腔内の状態,視野展開,術式の根拠などのオペレコに記載すべき要素をどのように表現するか,筆者が描いてきた手術イラストを抜粋しながら,我々の考えるイラスト描きのポイントを紹介する.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
98-104 , 
ISSN:
0386-9768

胆道外科の手術記録 CiNiiでみる

著者名:
石井 隆道  上本 伸二 

抄録:

肝門部領域胆管癌に対して行った手術の記録を提示する.本症例の腫瘍は上部胆管に位置し,背側を走行する右肝動脈に浸潤があるとの術前診断であった.本症例では外側区域のほとんどを占める巨大な血管腫が存在し,腫瘍の動脈浸潤範囲は前区域枝と後区域枝との分岐部をこえていたため,左三区域切除,動脈再建,胆道再建を施行した.動脈再建にあたっては郭清操作で右肝動脈の内膜剥離を認めたため,後上膵十二指腸動脈を分岐したあとの胃十二指腸動脈を用いて顕微鏡下に端々吻合で再建した.手術時間は10時間31分,出血量は2,400 gであった.肝胆道外科は特に立体的な空間認識力が必要な分野であると思われる.手術イラストには,臓器や組織の相対的位置関係の正確さを保ちつつ,省略と強調が必要である.術式に対する理解や認識力があって初めて簡明でリアルなイラストを描くことができ,読む人にわかりやすい手術記録を作成することができる.


出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
91-97 , 
ISSN:
0386-9768

日本消化器外科学会 会誌編集委員会『2020年,年頭にあたって』 CiNiiでみる

著者名:

抄録:

出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
nm1-nm4 , 
ISSN:
0386-9768

編集後記 CiNiiでみる

著者名:
水島 恒和 

抄録:

出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
- , 
ISSN:
0386-9768

Editorial 第74回日本消化器外科学会総会特別企画「オペレコを極める」について CiNiiでみる

著者名:
矢永 勝彦 

抄録:

出版年月日:
2020 , 
巻:
53 , 
号:
1 , 
ページ:
77-80 , 
ISSN:
0386-9768

保存的に治療可能であった伝染性単核球症による脾破裂の1例 CiNiiでみる

著者名:
山中 雅也  奥村 徳夫  園原 史訓  小西 滋  杉本 博行  梶川 真樹 

抄録:

症例は18歳の男性で,突然の左肩痛と背部痛,腹痛を主訴に当院を受診した.腹部造影CTで,脾腫,脾周囲の血腫および遅延相での造影剤の血管外漏出像を認め脾破裂と診断した.循環動態は安定していたために保存的治療とした.また,顎下リンパ節の腫脹,疼痛があり,血液検査で単球の上昇,EB virus抗体VCA-IgM陽性,異型リンパ球の出現などを認め,伝染性単核球症による脾破裂と診断した.以後,再出血することなく軽快し21病日に退院した.脾臓は免疫において重要な臓器であり,若年者では脾破裂の場合も可能なかぎり温存することが望まれる.伝染性単核球症による脾腫が原因となって生じた脾破裂に対して,保存的治療で脾臓を温存することができた症例を経験したので報告する.


出版年月日:
2019 , 
巻:
52 , 
号:
12 , 
ページ:
722-727 , 
ISSN:
0386-9768

肺癌と胃癌既往を有する悪性胸膜中皮腫の小腸転移穿孔の1例 CiNiiでみる

著者名:
淺井 聖子  佐伯 典之  加藤 洋  瀬戸 泰之 

抄録:

症例は肺癌と胃癌の手術歴をもつ78歳の男性で,胃癌手術から2年4か月後の胸部CTで胸水貯留を指摘された.漸増するために胸腔鏡下胸膜生検を施行し悪性胸膜中皮腫,上皮型と診断された.三次までの化学療法と放射線療法が施行されたが病勢は進行した.緩和療法中に下腹部痛が出現し,造影CTで多量の腹水と腹腔内遊離ガス像を認め,消化管穿孔と診断し緊急手術を行った.腹腔内に混濁した腹水と腹壁に散在する白色結節を認めた.空腸に全周性の壁肥厚を伴う硬結を触知しその中心部に7 mm大の穿孔部を認め,小腸部分切除術を施行した.病理組織学的に悪性胸膜中皮腫の小腸転移による穿孔と診断した.悪性胸膜中皮腫の小腸転移報告は少ないため報告する.


出版年月日:
2019 , 
巻:
52 , 
号:
12 , 
ページ:
728-735 , 
ISSN:
0386-9768