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日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapyの検索結果

シナカルセトが著効を呈したカルシフィラキシスの1例 CiNiiでみる

著者名:
荒井 典子  溝渕 正英  和田 幸寛  井上 隆  加藤 徳介  柴田 孝則  小川 良雄  秋澤 忠男 

抄録:
症例は50歳代の男性.慢性糸球体腎炎による腎不全にて20代で血液透析に導入となり,腎移植により10年間透析を離脱したが,その後血液透析に再導入された.急速に進行する有痛性の左下肢潰瘍のため当院紹介受診した.足背動脈の触知は良好であり,カルシフィラキシスが疑われ入院となった.入院時,血清補正Ca値11.7 mg/dL,P値6.3 mg/dL,intact PTH値87 pg/mLと高Caおよび高P血症を認めた.MIBIシンチグラフィー,造影CT検査にて縦隔内に腫大した異所性副甲状腺を認め,二次性副甲状腺機能亢進症の併存と考えられた.皮膚生検では,潰瘍病変,真皮深層への石灰沈着像を認め,カルシフィラキシスに矛盾しない所見だった.抗菌薬の全身投与,局所処置を継続し,厳格なCa,P管理を行った.二次性副甲状腺機能亢進症に対して,副甲状腺摘除術を検討したが,異所性副甲状腺が縦隔内に存在し手術が容易でないことから,シナカルセト25 mg/日の投与を開始したところ,管理困難であった血清Ca,P値は管理目標値内に維持され,下肢潰瘍も改善した.本邦において,カルシフィラキシスに対してカルシウム受容体作動薬であるシナカルセトの臨床的有効性を示した報告は少ない.シナカルセトが二次性副甲状腺機能亢進症患者のカルシフィラキシスに対する有効な治療手段となる可能性が示唆された.

出版年月日:
2013-09-28 , 
巻:
46 , 
号:
9 , 
ページ:
955-961 , 
ISSN:
13403451

Clostridium perfringensによるCAPD関連腹膜炎と悪性中皮腫の関連が示唆された1剖検例 CiNiiでみる

著者名:
浅野 麻里奈  稲垣 浩司  狩谷 哲芳  浅野 周一  政本 大二郎  水谷 真  高橋 洋平  水野 正司  伊藤 恭彦 

抄録:
症例は74歳,男性.腎硬化症による慢性腎不全にて2007年に腹膜透析(CAPD)導入.2010年6月,7月,11月にCAPD関連腹膜炎のため入院,抗菌治療で改善した.2011年1月に再度CAPD関連腹膜炎のため入院.CTにて,脾上極の腫瘤と腹腔内に多発する結節を認めた.悪性腫瘍が疑われたが,全身状態不良のため精査は行わず,腹膜炎改善後は経過観察となった.2011年3月某日,再度CAPD腹膜炎のため入院したが,急激に循環動態が悪化し,同日永眠された.後日,排液からClostridium perfringensStreptococcus mitisが培養され,また,病理解剖の結果,腹腔内多発結節は悪性中皮腫の腹膜播種と判明した.CAPD関連腹膜炎が死因となったが,悪性中皮腫とCAPD関連腹膜炎との関連が疑われた非常にまれな症例であったため報告する.

出版年月日:
2013-09-28 , 
巻:
46 , 
号:
9 , 
ページ:
949-954 , 
ISSN:
13403451

カテーテル留置術後の好酸球性腹膜炎にオロパタジン塩酸塩(アレロック^(R))が蓍効した糖尿病合併腹膜透析患者の1症例 CiNiiでみる

著者名:
前原 優一  古波蔵 健太郎  金城 興次郎  田中 寿幸  中村 卓人  金城 孝典  幸地 政子  富山 のぞみ  石田 明夫  山里 正演  大屋 祐輔  井関 邦敏 

抄録:
症例は39歳,女性.1年前に低形成腎を伴う慢性腎不全のため腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)導入となったが,導入早期に,再発性腹膜炎,結核性腹膜炎を合併し,カテーテル抜去術を施行した.結核治療終了後,第2回目のカテーテル留置術を施行したが,術直後より注液不良となり,カテーテル造影で閉塞が疑われ,術後7日目にカテーテル再留置術を施行されたが,術直後よりフィブリンの析出を認め,排液不良状態が続いた.排液中の細胞数500/μL以上で,その8割が好酸球であったことから好酸球性腹膜炎と診断した.術後の創傷治癒の遅延や血糖コントロールの悪化等のステロイドの副作用が懸念されたためステロイドの使用を避け,アレルギー用薬であるオロパタジン塩酸塩(アレロック®)を開始したところ,開始翌日から除水量が増加し,開始7日目には腹膜灌流液中の好酸球数が著減した.従来,好酸球性腹膜炎に対してはステロイド薬が有効であるとされていて,オロパタジン単独で治療を行った報告はない.本症例ではオロパタジンが著効したと考えられることから,好酸球性腹膜炎の治療において同薬剤がステロイドの代替薬になり得る可能性が示唆された.

出版年月日:
2013-09-28 , 
巻:
46 , 
号:
9 , 
ページ:
943-947 , 
ISSN:
13403451

湧水を用いた不適切な出品部ケアにてMycobacterium fortuitum出品部感染を発症した腹膜透析患者の1例 CiNiiでみる

著者名:
宮里 賢和  安達 政隆  藤江 康行  中嶋 淑心  山崎 朋子  渡辺 麻耶  坂梨 綾  田崎 春奈  水本 輝彦  尾上 友朗  内村 幸平  白石 直樹  冨田 公夫  北村 健一郎 

抄録:
今回,われわれは湧水を用いた不適切な出口部ケアにてMycobacterium fortuitumM. fortuitum)出口部感染を発症した腹膜透析患者の1例(54歳,女性)を経験した.当院では出口部を生理食塩水や消毒薬もしくはオープンシャワーにて洗浄するように指導しているが,本患者は独自の判断で出口部ケアの際に知人に勧められた湧水を出口部に噴霧していた.後日,湧水の抗酸菌塗抹染色が陽性と判明し感染源と考えられた.6週間に及ぶニューキノロンとマクロライド系抗菌薬の内服治療を行ったが完治せず,腹膜透析カテーテル抜去術を施行した.カテーテル抜去によって出口部感染は完治したが,本患者は腹膜透析を離脱し血液透析へ移行することとなった.これまでM. fortuitum出口部感染において感染源が明確に同定された報告はない.M. fortuitum出口部感染はまれではあるが,保存的治療に反応しない場合はカテーテル抜去術が必要となるため,感染を未然に防ぐことが重要である.出口部感染成立には感染源の存在と出口部における皮膚感染防御機構の脆弱化が関与しており,適切な出口部ケアと定期的なケアの再評価および再指導を行うことがM. fortuitum出口部感染を未然に防ぐ上で重要であると考えられた.

出版年月日:
2013-09-28 , 
巻:
46 , 
号:
9 , 
ページ:
937-942 , 
ISSN:
13403451

HIV感染者における透析医療の推進に関する研究-拠点医院でのアンケート調査- CiNiiでみる

著者名:
秋葉 隆  日ノ下 文彦  今村 顕史 

抄録:
平成24年度われわれは,エイズ感染者の透析医療の確保に関して調査し,公的な援助なしに民間施設がHIV感染者を受け入れるには多くの難関があることを明らかにした.その結果を踏まえて,全国の拠点病院に,透析患者の透析の確保の状況と,透析施設への支援活動についてアンケート調査を行った.全国のブロック拠点病院・中核拠点病院・拠点病院380施設にアンケートを発送,回答190通(回答率は50.0%)を得た.回答施設はブロック拠点11,中核拠点35,拠点121,いずれでもない4病院で平均入院病床数542床,記載のあった172施設には腎臓内科医平均3.05名,泌尿器科医3.79名が在籍し,透析装置は155施設,平均17.2台保有されていた.HIV感染者で透析導入が必要だったのは28施設で血液透析28名,腹膜透析16名の計44名で,(1) 自院で導入・自院で慢性透析19例,(2) 自院で導入・他院で慢性透析11例,(3) 紹介の上,他院で導入・慢性透析7例,の37例だった.透析患者の入院依頼では,(1) 入院受け入れ12例,(2) 入院断り11例の計33例,他院で管理中のHIV透析患者の外来診療依頼は外来受け入れ12例が経験されていた.「針刺し事故についての対応」は,(1) 対応しない23.6%,(2) 通常時間内のみ対応4.5%,(3) 夜間・休日とも対応61.9%,と3/4の施設が対応していたものの,祝日や夜間対応のため透析施設にHIV暴露後予防内服薬をあらかじめ貸与していない施設は69.7%と高率だった.また地域の医療施設に対してHIV感染症についての啓発活動を定期的に行っていない施設が63%と過半数で,さらに透析スタッフ向けに行っている施設は全体の6%にすぎなかった.慢性腎不全患者の透析医療は約半数が拠点病院で,残りの半数が地域の透析施設と連携して行われているものの,拠点病院からの透析施設へのサポート体制が不十分な状況が明らかとなった.

出版年月日:
2013-09-28 , 
巻:
46 , 
号:
9 , 
ページ:
931-936 , 
ISSN:
13403451

インスリンからGLP-1アナログ(リラグルチド)へ切り替えた2型糖尿病透析患者の記述疫学的検討 CiNiiでみる

著者名:
松下 隆司  谷口 尚大郎  松崎 慶一  古松 慶之  柳原 由美子  原田 和子  中山 宏仁  加藤 香  中島 知徳  中村 周治  長友 優尚 

抄録:
目的:透析患者の血糖管理にはインスリン以外の選択肢が乏しく,内因性インスリン分泌が保持されていても,やむを得ずインスリン使用している症例が存在する.1日1回の皮下注射で投与するGlucagon like peptide-1受容体作動薬リラグルチドは血糖依存性のインスリン分泌を促すことから低血糖をきたしにくく,透析患者の血糖管理に安全・有用である可能性がある.インスリンからリラグルチドへ切り替えが可能であれば低血糖や注射回数が減るなどのメリットがあると考えられるが,その報告はまだ少ない.われわれはインスリンからリラグルチドへの切り替えを行った2型糖尿病透析患者の臨床情報を集計・解析した.対象と方法:[研究デザイン]単施設における記述疫学的研究(症例集積研究).[対象]2010年9月~2011年4月の平和台病院外来透析患者48名のうち,食事負荷試験にて空腹時血清C-peptide immunoreactivity(s-CPR)1.0 ng/mL以上,かつ食後2時間s-CPR 4.0 ng/mL以上でインスリン使用中の2型糖尿病患者10例.[主な要因]インスリンからリラグルチドへの切り替え.[主な評価項目]切り替え3か月後のグリコアルブミン(GA)値.結果:10例中3例が吐気・嘔吐のため,2例が高血糖のためリラグルチド中止となった.1例で症候性低血糖を認めたが補食で速やかに改善した.リラグルチド継続が可能であった5例では,GA値は切り替え時の21.8±3.3%から切り替え3か月後には19.6±1.9%へと低下していたが有意差は認めなかった.結論:吐気・嘔吐が出現しやすい可能性があり慎重投与が必要だが,内因性インスリン分泌が保持された2型糖尿病透析患者において,インスリンからリラグルチドへの切り替えは一つの選択肢となり得ると考えられた.

出版年月日:
2013-09-28 , 
巻:
46 , 
号:
9 , 
ページ:
923-929 , 
ISSN:
13403451

生命予後からみた維持透析患者の適正血清カリウム値の検討 CiNiiでみる

著者名:
大前 清嗣  小川 哲也  吉川 昌男  新田 孝作  大塚 邦明 

抄録:
透析患者において高カリウム(K)血症は心臓突然死の危険因子と考えられている.一方,心疾患合併患者では低K血症が致死性不整脈の誘因とされている.今回われわれは透析患者における血清K(SK)と心血管死との関連をコホート研究により検討した.当院外来透析databaseに登録された症例を対象とした.対象症例について心血管死をend pointとし2010年10月まで追跡しCox比例ハザード法により生命予後関連因子を抽出した.対象を透析前SKで層別化(SK≦4.5, 4.5<SK≦5.0, 5.0<SK≦5.5, 5.5 mEq/L<SK)し,説明変数には層別化したSKのほか,年齢,性別,合併症,透析歴,透析前後の血圧,生化学,末梢血検査値を用いた.Database登録の309例中data不備を認める16例と転院により追跡不能となった33例を除外した.解析対象の260例は男性149名,女性111名,平均年齢68.8歳で透析期間は5.6年であった.原疾患はDMが89名,心疾患合併が97名で全体の透析前SKは4.97 mEq/Lであった.平均観察期間3.3年で心血管死は43名であった.抽出された予後悪化因子は高齢,長期透析,血液濾過の施行,糖尿病,心疾患の合併,SK低値,CRP高値であった.層別化したSKのうちSK≦5.0 mEq/Lの2群が予後不良と関連しHazard比はSK≦4.5 mEq/Lで6.377,4.5<SK≦5.0 mEq/Lで2.733であった.透析患者においてSK高値が予後良好と関連し透析前SK>5.0 mEq/Lに保つ必要性が示唆された.

出版年月日:
2013-09-28 , 
巻:
46 , 
号:
9 , 
ページ:
915-921 , 
ISSN:
13403451

血液透析用カテーテル留置中に転移性感染症としての腰椎化膿性脊椎炎および腸腰筋膿瘍を合併した1例 CiNiiでみる

著者名:
村上 穣  萩原 正大  大沢 紘介  佐々本 格  津田 勝路  関 浩道  降旗 俊一  山崎 諭  山口 博  池添 正哉 

抄録:
血液透析用カテーテル留置中に腰椎化膿性脊椎炎および腸腰筋膿瘍を合併した1例を経験したので報告する.患者は80歳代,男性.末期腎不全による尿毒症のため他院に入院し,右大腿静脈より非カフ型カテーテル挿入のうえ血液透析を導入された.カテーテル留置から24日目に黄疸が認められ,当院に転院した.精査によりEnterococcus faecalisによるカテーテル関連血流感染症(catheter-related blood stream infection:CRBSI)および転移性感染症としての腰椎化膿性脊椎炎,腸腰筋膿瘍と診断した.ビクシリン(ABPC)の経静脈的投与および持続血液透析濾過を継続したが,第9病日に敗血症性ショックのため死亡した.血液透析用カテーテル留置中の患者がCRBSIを合併した場合,早期診断,早期治療に努め,重篤な転移性感染症の合併を予防することが重要である.

出版年月日:
2013-08-28 , 
巻:
46 , 
号:
8 , 
ページ:
727-732 , 
ISSN:
13403451

透析中の急性腹症より診断に至った腎周囲血腫の1例 CiNiiでみる

著者名:
渡邊 廉也  安野 哲彦  伊藤 建二  安部 泰弘  三宅 勝久  笹冨 佳江  小河原 悟  真島 悟  中島 衡 

抄録:
症例は56歳,男性.糖尿病性腎症により末期腎不全に至り,7年間の透析歴がある.2011年,透析中に突然の血圧低下と右側腹部痛をきたし,腹部造影CTにて右腎周囲血腫を認められた.右腎下極の責任血管に対し腎動脈塞栓術を行った.第2病日には右側腹部痛は軽快し,第16病日退院となった.外来にて3か月後の腹部CTを行い,腎周囲血腫の軽快を認めた.腎周囲血腫の原因として外傷,腎癌,腎嚢胞などがある.本症例では冠動脈バイパス術後から内服しているアスピリン以外に明らかな誘因は考えられなかった.このように,維持血液透析患者における急性腹症の鑑別として,腎周囲血腫は重要であり,今後もCTによる定期的な画像的評価が必要であると考える.

出版年月日:
2013-08-28 , 
巻:
46 , 
号:
8 , 
ページ:
723-726 , 
ISSN:
13403451

血液透析患者における頸動脈血流速度波形の検討 : 頸動脈拡張末期最低血流速度の低値は脳・心血管障害の発症と関連する CiNiiでみる

著者名:
蔦谷 知佳子  對馬 惠  寺山 百合子  畠山 真吾  山谷 金光  斉藤 久夫  舟生 富寿 

抄録:
血液透析患者において動脈硬化性疾患は頻度の高い合併症となっている.今回われわれは,血液透析患者の頸動脈血流速度波形の指標から脳・心血管障害(cerebro- and cardiovascular disorders:CCVD)発症の予測因子として有用なパラメーターを検索した.血液透析患者87例について,頸動脈エコーによる左右総頸動脈の血流速度から,収縮期最高血流速度(peak systolic velocity: PSV),拡張末期最低血流速度(end diastolic velocity:EDV),拍動係数(pulsatility index: PI),拡張末期最低血流速度の左右比(ED ratio)を解析した.これらの血流速度波形指標と最大頸動脈内中膜複合体厚(maximum intima- media thickness: max-IMT),心臓足首血管指数(cardio ankle vascular index: CAVI)および腹部大動脈石灰化指数(aortic calcification index: ACI)との関連性は,EDVとCAVI(r=-0.319),max-IMT(r=-0.268)およびACI(r=-0.295)に有意な負相関が認められた.CCVDの有無で分けた2群(CCVD-群=53例,CCVD+群=34例)間の比較では,EDV(p=0.019)とED ratio(p=0.041)に有意差が認められた.さらに,検査後から2年半のCCVD発症率は,EDVの平均値で分けたEDV<11 cm/sec群がEDV≥11 cm/sec群にくらべ有意に高値(p=0.012)であった.血液透析患者においてEDVの低値はCCVD発症に関連していると思われた.

出版年月日:
2013-08-28 , 
巻:
46 , 
号:
8 , 
ページ:
715-721 , 
ISSN:
13403451

エポエチン ベータ ペゴル(C.E.R.A.)投与後の造血および鉄動態について : 投与3か月後までの検討 CiNiiでみる

著者名:
葉山 修陽  栗原 怜  石原 力  青木 路子  飯野 靖彦 

抄録:
エポエチン ベータ ペゴル(C.E.R.A.)は従来の赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agent:ESA)と比較すると血中半減期は長く,造血が長時間持続するため,貧血改善,鉄動態に与える影響もこれまでのESAと異なる可能性がある.今回,C.E.R.A. 初回投与後4週間および4週間隔で2回投与し12週間までの貧血改善,鉄動態につき検討した.対象:安定している維持透析患者8名で,ESAの切り替えはエポエチン ベータ(EPOβ)投与量4,500 IU/週未満はC.E.R.A. 100 μg,4,500 IU/週以上はC.E.R.A. 150 μgをそれぞれ28日間隔で3回反復静脈内投与した.方法:C.E.R.A. 初回投与時は投与前,投与後2,4,7,14,21および28日目,2および3回目投与時は投与後14および28日目に血中EPO濃度,血清鉄,TSAT,フェリチン値,ヘプシジン-25濃度,網状赤血球数およびHb濃度を測定した.結果:C.E.R.A. 投与後,血中EPO濃度は14日目まではベースライン値に対して有意な上昇を示し(p<0.05,以下同様),血清鉄,TSATおよびフェリチン値は低下傾向を示し,ヘプシジン-25濃度は2日目で有意な低下を示した.網状赤血球数も7日目までは有意な上昇を示し,Hb濃度は7日目のみで有意な上昇を示した.各指標は28日目にはベースライン値に復し,2回目および3回目投与後も同様に推移した.結論:EPOβ週あたり投与量4,500 IU/週未満はC.E.R.A. 100 μg,4,500 IU/週以上はC.E.R.A. 150 μgへの切り替え後,鉄パラメータおよび造血パラメータは4週間の間にダイナミックな変動を示した.Hb濃度は4週間隔の3回投与で12週間にわたり安定に維持された.C.E.R.A. 使用後の鉄動態を考慮し,投与後1週目および2週目の鉄動態の検査は避けるべきと思われた.

出版年月日:
2013-08-28 , 
巻:
46 , 
号:
8 , 
ページ:
707-713 , 
ISSN:
13403451

保存期, 透析期糖尿病性腎症患者に対する基礎および応用カーボカウントの導入 CiNiiでみる

著者名:
三上 憲子  川上 純子 

抄録:

出版年月日:
2013-07-28 , 
巻:
46 , 
号:
7 , 
ページ:
691-692 , 
ISSN:
13403451

開心術中の血液濾過は,血中のHMGB-1を効果的に除去するのか? CiNiiでみる

著者名:
宮川 幸恵 

抄録:

出版年月日:
2013-07-28 , 
巻:
46 , 
号:
7 , 
ページ:
- , 
ISSN:
13403451

超音波検査による内シャント血流機能評価を透析中に実施するための条件の抽出 CiNiiでみる

著者名:
人見 泰正  藤堂 敦  水野 松本 由子 

抄録:

出版年月日:
2013-07-28 , 
巻:
46 , 
号:
7 , 
ページ:
687-688 , 
ISSN:
13403451

インターフェロンγ遊離試験T-スポット【○!R】.TBが結核症の診断に有用であった透析患者の1例 CiNiiでみる

著者名:
甲田 亮  吉野 篤範  今西 優仁  川本 進也  竹田 徹朗  水口 真理  笛木 直人  相良 博典 

抄録:
69歳,女性,抗基底膜抗体型急速進行性糸球体腎炎のため8か月前に血液透析導入.近医で週3回の維持血液透析を受けていた.血液透析導入後も抗基底膜抗体価は高値を持続しプレドニゾロン,シクロホスファミドの内服を継続していた.入院2か月前から微熱あり.咳,痰などの呼吸器症状はなかった.精査のため当院入院,両肺野にびまん性の小結節影あり,肺結核症が疑われた.入院翌日血液透析開始時にT-スポット®.TB提出.初回の喀痰抗酸菌塗抹は陰性.3日後にT-スポット®.TB陽性と報告あり,胃液を採取し抗酸菌塗抹を行ったところ陽性.PCR法で結核菌群と同定された.ツベルクリン反応は陰性であった.個室隔離,個室透析とともに抗結核薬4剤で加療を開始した.入院12日目に結核療養病院へ転院した.T-スポット®.TBは2012年11月13日より本邦で測定可能となったEnzyme-Linked ImmunoSpot(ELISPOT)法を用いた新しいインターフェロンγ遊離試験(Interferon-Gamma Release Assay,IGRA)である.免疫不全の患者,リンパ球数の少ない患者においては既存のIGRAであるクォンティフェロンTBゴールドに比べ高い感度を有する可能性が報告されている.T-スポット®.TBにより早期診断,治療ができた透析患者の肺結核を経験したので報告する.

出版年月日:
2013-07-28 , 
巻:
46 , 
号:
7 , 
ページ:
681-686 , 
ISSN:
13403451

白血球除去療法が有効であった下部消化管出血を伴った成人 Henoch-Schonlein 紫斑病(HSP)の2例 CiNiiでみる

著者名:
小林 園実  田端 秀日朗  安藤 明利  西村 英樹  佐中 孜  新田 孝作  内藤 隆 

抄録:
症例1は57歳,男性.感冒様症状が出現後,腹痛や関節痛および両下肢浮腫・紫斑が出現した.ネフローゼ症候群をきたし,皮膚生検および腎生検の病理結果よりHenoch-Schönlein紫斑病(HSP)と診断した.Prednisolone(PSL)投与にて両下肢の紫斑および関節痛は軽快傾向であったが,腹痛および下血は改善せず,白血球除去療法(leukocytapheresis:LCAP)を計7回施行した.LCAP後,両下肢の紫斑,腹痛および下血症状は改善し,便潜血も陰性化した.しかし尿蛋白は改善せず,methylprednisolone(mPSL)セミパルス療法(500 mg/日)を施行後,cyclosporin A(CYA)を併用し,尿蛋白は陰性化した.症例2は50歳,男性.感冒様症状,左鼠径部の皮下膿瘍,両下肢の関節痛および紫斑が出現し,皮膚科入院となった.左鼠径部の皮下膿瘍より溶連菌を認め,皮膚生検よりHSPと診断された.PSL投与を開始するも腹部症状,下血,尿蛋白が出現し,腎臓内科へ転科となった.腎生検を施行後,mPSLセミパルス療法(500 mg/日)およびPSLの増量にて尿蛋白は陰性化した.しかし紫斑の再発,腹痛,下血症状は持続し,LCAPを計3回施行した.LCAP後,紫斑および腹部症状は著明に改善し,後療法としてmizoribine(MZR)を併用し,軽快退院となった.下部消化管出血を伴ったHSPに対してLCAPを含めた集学的治療が有効であった症例を2例経験したので,若干の文献的考察を含めて報告する.

出版年月日:
2013-07-28 , 
巻:
46 , 
号:
7 , 
ページ:
671-680 , 
ISSN:
13403451

間欠的血液透析が奏功した急性炭酸リチウム中毒の1例 CiNiiでみる

著者名:
渡辺 隆太  稲田 浩二  東 浩司  山下 与企彦  岡 明博  中西 英元  岡本 典子 

抄録:
症例は66歳,男性.双極性障害のため近医精神科に通院し内服加療を行っていたが,攻撃性がみられコントロール不良であったため,2011年4月下旬同院入院,炭酸リチウム800 mg/日内服開始された.興奮状態は徐々に収まったが,内服6日目頃から傾眠傾向となった.内服13日目に測定したリチウム血中濃度が3.4 mEq/Lと異常高値を示したため,当院に救急搬送された.急性リチウム中毒による意識障害と考えられたため,リチウム除去目的の血液透析を開始した.6日間連日1日1回の4時間透析を施行した.リチウム血中濃度は速やかに低下し,入院3日目には1.0 mEq/L以下となった.治療7日目より急激に意識レベルは改善し,通常の会話が可能となり,不随意運動も認めなくなったため,血液透析は終了した.入院9日目に前医精神科に転院した.炭酸リチウム内服開始初期の急性中毒の場合,間欠的透析加療のみで速やかに血中濃度の低下が期待できる.

出版年月日:
2013-07-28 , 
巻:
46 , 
号:
7 , 
ページ:
667-670 , 
ISSN:
13403451

重症下肢虚血に対し陰圧閉鎖療法を含む集学的治療を行い大切断を回避した維持血液透析患者の1例 CiNiiでみる

著者名:
成山 真一  武川 力  西堀 祥晴  粕本 博臣  本庄 桂子  堀松 徹雄  伊東 芳江  中田 千鶴子  木原 陽子  玉置 尚康  安井 智彦  中西 健 

抄録:
近年,糖尿病の増加に伴い糖尿病性腎症を原疾患とする維持血液透析患者に多くみられるようになった重症下肢虚血(critical limb ischemia:CLI)による下腿や大腿等の下肢切断は患者の活動性を極度に低下させるのみならず,生命予後にも深刻な悪影響を与えることが知られている.このためCLIに対する治療を行うに際して下肢切断を回避もしくは切断範囲の縮小に努め,歩行機能を可能な限り温存させることが重要な課題と考えられる.今回,われわれは維持血液透析患者に発症した重症下肢虚血に対し,血管形成術,LDLアフェレーシス,陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy: NPWT)といった集学的治療を行い,大切断を回避できた1例を経験した.症例は,56歳,男性,糖尿病性腎症由来の慢性腎不全のため2010年1月より当院で血液透析導入となった.2012年1月頃より右下腿に安静時疼痛が出現し,バイパス術による血行再建を目的に他院に転院となった.同院での治療の末,右大腿切断に至った.同年5月に当院に転院となりリハビリテーションを行っていたが,7月上旬より左下肢の第4趾および第5趾に壊死が出現し,かつ感染も併発した.創部感染に対し抗生剤投与を開始するとともに血管形成術およびLDLアフェレーシスを,8月末から陰圧閉鎖療法を行い,大切断を回避することができた.既存の治療に陰圧閉鎖療法を併用することは,血液透析患者におけるCLIに対する有効な治療選択肢の一つとなり得ることが示唆された.

出版年月日:
2013-07-28 , 
巻:
46 , 
号:
7 , 
ページ:
661-666 , 
ISSN:
13403451

カーボスター透析液の調整と慢性維持透析患者の酸塩基平衡 CiNiiでみる

著者名:
正井 基之  坂井 健彦  内野 順司  石丸 昌志  山本 淳  白井 厚治  吉田 豊彦 

抄録:
重炭酸透析液よりカーボスターP透析への変更によりアシドーシスの改善が報告されている.われわれは以前カーボスター透析液をpH 7.60~7.70に調節し4時間の多人数透析に使用していたが,終了時にややアルカレミアに傾く例が多かった.現在はより長時間の透析を安全に行うため,pH 7.55~7.65に調節して使用している.この条件で行われた透析における維持透析患者の酸塩基平衡について検討した.2日あきの週初めの透析前の血中重炭酸イオンは16.6~25.8(21.8±2.2)mEq/Lであり,21~22 mEq/Lに分布のピークを認め,29例中21例(72%)が21 mEq/Lを超えていた.週末の透析前の血中重炭酸イオンは21.8~26.9(23.9±1.7)mEq/Lであり,22~23 mEq/Lに分布のピークを認め,全例が21 mEq/Lを超えていた.週初めに比べて週末の重炭酸イオンは有意に高値であり,週初めと週末の重炭酸イオンの平均値の差は2.1 mEq/Lであった.週初めの透析終了時に重炭酸が30 mEq/Lを超える例は透析液pHが7.60~7.70に調節時には18例中8例,透析液pHを7.55~7.65に調節時には30 mEq/Lを超える例はなく,有意な差を認めた.透析終了時にpHが7.50を超える例は透析液pHが7.60~7.70に調節時には18例中16例,透析液pHを7.55~7.65に調節時には29例中9例であり,有意差を認めた.カーボスター透析液のpHの違いが患者の酸塩基平衡に影響することが明らかになった.カーボスター透析液を使用するときには透析液のpHをコントロールすることが重要であり,pHを7.55~7.65に調節して使用することにより,透析前の重炭酸イオンは良好にコントロールされており,透析終了時に強くアルカレミアに傾くことなく使用できると考えられた.

出版年月日:
2013-07-28 , 
巻:
46 , 
号:
7 , 
ページ:
651-659 , 
ISSN:
13403451

血液透析患者の erythropoiesis-stimulating agents (ESAs) 低反応に関する検討 CiNiiでみる

著者名:
樋口 輝美  石川 由美子  山崎 俊男  水野 真理  大川 恵里奈  瀬戸口 晴美  柳沢 順子  吉沢 美佳  堀之内 那美  遊佐 美恵  早瀬 美幸  安藤 英之 

抄録:
目的:透析患者におけるerythropoiesis-stimulating agents(ESAs)低反応の原因に種々の因子が関与する.今回,ESAs低反応の指標として,erythropoiesis resistance index(ERI)を用い,種々の因子との関連につき検討した.対象:維持透析施行中の患者130名で,内訳は男性91名,女性39名.平均年齢69±11歳,平均透析歴55±60か月.方法:ERIの定義はESAs投与量を体重(BW)とHbで割った値ESA doses/kg/g/dL/週とした.ESAsはrHuEPOとDarbepoetin α(DA)を使用しており,rHuEPOとDAの比を200:1としrHuEPOの換算量とし過去1か月の平均投与量を算出し,各種因子との関連を検討した.結果:鉄代謝マーカーのFe,TIBC,TSATと有意な負の相関を認め,フェリチンとは有意な正の相関を認めた.炎症性サイトカインのIL-6とは有意な正の相関を認め,栄養状態のアルブミン,GNRIと有意な負の相関を認め,BWとBMIとも有意な負の相関を認めた.また動脈硬化症に関係するfetuin-Aとは有意な負の相関を認め,baPWVとは正の相関を認めた.酸化ストレスの8-OHdGとは有意な正の相関を認め,総コレステロール(T-C),LDL-コレステロール(LDL-C),中性脂肪(TG)とも有意な負の相関を認めた.多変量解析では,TSAT,TIBC,BMI,8-OHdGと有意な相関を認めた.結論:鉄代謝マーカーのFe,TIBC,TSAT,フェリチン,炎症性サイトカインのIL-6,栄養状態のGNRI,アルブミン,BW,BMI,動脈硬化症に関連するfetuin-A,baPWV,酸化ストレスの8-OHdG,および脂質系のT-C,LDL-C,TGがESAs低反応に関与することが示唆された.

出版年月日:
2013-07-28 , 
巻:
46 , 
号:
7 , 
ページ:
641-649 , 
ISSN:
13403451